ヨコハマトリエンナーレ2020が開幕! 今だからこそ考えたいテーマがつまった展覧会
横浜美術館、プロット48
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3年に1度開催される現代美術の祭典「ヨコハマトリエンナーレ2020『AFTERGLOW―光の破片をつかまえる』」が7月17日(金)、横浜美術館とプロット48の2会場で開幕しました。 2001年にスタートし、まもなく20年の節目を迎え、第7回展となる今回は新型コロナウイルスの影響により、当初の開幕予定より2週間ほど遅れての開幕となったため、待ちわびていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 今回のヨコハマトリエンナーレには、20代、30代の若手が半数を占め、30以上の国や地域で活動する約70人(組)のアーティストが参加しています。(新型コロナウイルスの影響による)移動の禁止、物流の停止といった事態の中、オンラインやビデオ会議などを重ね、リモートでの設営に臨むなど、さまざまな困難をのりこえ、今回の開幕を迎えました。 ここでは、開幕した「ヨコハマトリエンナーレ2020」の会場の様子をお届けします! #ヨコハマトリエンナーレ #現代アート #横浜美術館 #プロット48 #トリエンナーレ
まずは横浜美術館会場から
横浜美術館では約40組のアーティストの作品が展示されています。 まず、横浜美術館のエントランスをくぐると、宇宙のビッグバンに紛れ込んだような作品が目に飛び込んできます。これは、ニック・ケイヴ の作品です。吹き抜けのホールに園芸用の飾りである無数のガーデンスピナーが展示されています。きらきらした美しいものをよく見ると、銃のような怖いモチーフのものが混ざっています。
つづいて、巨大な赤いカーペットが目を引くスザ・ゴリンスカ の作品は、履きものを脱いで作品のうえを歩くことが出来ます。 大きなジュエリーのような輝きを放つキム・ユンチョルの作品は、ポリマーでつくられた数百のセルを数学の結び目理論に基づいて構成し、豊かな色彩の連鎖をつくり出しています。
腸に似た形状をしたエヴァ・ファブレガスの作品は触れることが出来ます。 展示作品のなかには実際に触れたり、登ったりすることができる作品もあります。 作品を前にしてなんだかよくわからない、と思ったらまずは触れたり登ったりして作品に飛び込んでみるのもいいですね!
ほかにはこんな作品も。
もう一つの会場、プロット48会場もご紹介
昨年移転した、子ども向け商業施設の建物を利用したのが「プロット48」です。横浜美術館からは徒歩で10分程度。雨天兼用の傘を貸出ししているので、雨の日だけでなく、日差しの強い日は傘を利用するのが得策です。 この会場では、24組のアーティストが展示を行っています。 会場入口には、自転車のベルが木にひもで結えられており、さらにベルとつながれた他のひもを引っ張れば鳴るようになっているデニス・タンの作品が来場者を迎えてくれます。
エレナ・ノックスは広い空間を使って、「セクシーじゃないエビを助けよう!」をコンセプトにエビにまつわる作品を展示しています。
ほかにはこんな作品も。
「わからない」を楽しんでみよう—はじめて現代アートを親しむ方に
はじめて現代アートを体験する人にも作品に親しんでいただけるよう、来場者には「いっしょに歩くヨコトリガイド2020」というリーフレットが配布されます。 これは、アーティスティック・ディレクターの「ラクス・メディア・コレクティヴ(以下、ラクス)」が伝えたいこと、展覧会を観賞するためのキーワードを紹介し、見どころとなる作品の解説をまとめた鑑賞支援ツールとなっています。 ぜひ、このガイドを参考にしながら、展示を楽しんでみてください。 また、作品解説パネルにも工夫を凝らし、ラクスの意向に基づき、①作家自身の言葉や参考資料からの引用、②作品の詩的な解釈、③作家・作品に関する説明からなる3つの部分で出来ています。 作品とじっくり対比しながら解説を楽しむのもいいですね。
開幕によせてー直前に行われた記者会見より
ヨコハマトリエンナーレ2020は、はじめて海外からアーティスティック・ディレクターを招聘しました。国際的に活躍しているインドの3人組アーティスト集団「ラクス・メディア・コレクティヴ(以下、ラクス)」がつとめています。 残念ながら、開幕にあわせての来日はかないませんでしたが、前日に行われた記者会見に、ラクスはオンラインで参加し次のように述べています。 「ヨコハマトリエンナーレ2020は、世界全体が混とんとしたなかでの開催となりましたが、世界に対し、癒しを与え、変化をもたらすアートの力を発信できる機会だと確信しています」。 また、横浜トリエンナーレ組織委員会副委員長であり、横浜美術館館長の蔵屋美香氏は「生きるとは、死ぬとはなど、普段考えないようなことに向き合い、敏感になっているときなので、普段の自分の精神状態では感じとれなかった様々なことを感じることができるのではないか。」と語っていました。
オンラインでヨコトリに参加してみよう- エピソードとオンラインガイド
「トリエンナーレ」とは3年に1度開催される展覧会だけのことを指すのではなく、ひとつのトリエンナーレから次のトリエンナーレへと1000日間かけて、刻一刻と変わる世界とつきあい、表現していく旅なのだとの考えのもと、ヨコハマトリエンナーレ2020では、展覧会と並行して「トリエンナーレ」という時間を旅するプログラム「エピソード」を行います。 2019年11月にラクスがコンセプトの源泉ともいえる「ソース」をパフォーマンスとして発表した「エピソード00」に始まり、以降、アーティストによるアクションやライブ・オンライン・イベント、サウンド・インスタレーションのほか、キュレータ―によるテーマ別プロジェクトやデジタル空間を使ったプロジェクトなどの企画が断続的に続いています。 新型コロナウィルスの影響を受け、今後「エピソード」はオンライン上での展開を予定しています。 また、これまでのヨコハマトリエンナーレでは、市民によるガイドサポーターが会場にて解説ボランティアを行ってきました。しかし、今回のヨコハマトリエンナーレでは新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、会場での解説は実施せず、公式YouTubeチャンネルにて、展覧会の概要と見どころとなる作品を紹介するガイダンスを発信します。 さらに公式資料によると、障害等により外出することが難しい方を対象に、分身ロボット「Orihime」を用いた鑑賞も今後計画とのことです。 さまざまな事情でヨコハマトリエンナーレに来られない方でもオンラインやロボットを通じで、どこからでも参加できる、今までにない取組みが実施されます。 新型コロナウイルス感染症と共生する「新たな日常」を世界が模索するなか、世界のビエンナーレ、トリエンナーレに先駆けて開催するヨコハマトリエンナーレ2020。 会期をとおして、さまざまな楽しみ方、新しい体験をトライしてみるのはいかがですか?
15秒でわかるヨコトリ2020のみどころ
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「ヨコハマトリエンナーレ2020」概要
【会期】2020年7月17日(金)~2020年10月11日(日) ※木曜休場(7月23日、8月13日、10月8日除く) 【開館時間】10時~18時(10月2、3、8、9、10日は21時まで、11日は20時まで) 【入場料】一般2,000円、大学・専門学校生1,200円、高校生800円 ※チケット販売は日時指定の予約制
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横浜の南部に生まれ、現在は横浜の北部に住むヨコハマ人です。
お気に入りのスポットは大さん橋と海の公園。
現代アートや音楽が好きで、趣味は美術館めぐりとパン屋・カフェめぐり。
美味しいパンとコーヒーをもとめ、探索中です。
3歳のやんちゃボーイの母でもあり、家族で楽しめる横浜情報などもお伝えしていけたら思います。
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